アルタイル*キミと見上げた空【完】
それからのことはあまり覚えていない。
ただ、離れた手と彼が何も言わずにうつむいていたことだけが、妙に頭に残っていた。
「離れたい」
私は・・・・修ちゃんと離れるの?
優しくて、かっこよくて・・・・
あんなにも私を大事にしてくれた人を・・・・私は・・・・・・。
見上げると、夏の夜空が広がっている。
星が、涙で見えないよ・・・。
「凱・・・」
会いたい。
凱に、会いたい。
大切な人を裏切ってまで、誤魔化せなかった想いに気づいてしまったから。
初恋なんかじゃない。思い出なんかじゃない。
私は・・・・凱が好き。
会いたくて、会いたくてたまらないよ。
「凱・・・!」