アルタイル*キミと見上げた空【完】

そんな私の言葉には答えず、空を見上げた凱は、


「ちくしょ。今日少し曇ってんのかな・・・」


とぼやくようにつぶやいた。



もしかして、照れ隠し?


あぁ、そうか。


凱は照れくさくなると空を見上げるんだ。


今さら気づくそんな幼なじみのクセに、思わず、ぷっと笑いが出た。


・・・・・凱。



「てめ、何笑ってんだよ」


「泣くな、って言ったのは凱の方じゃない」




ね、凱。



さっき、自然とつながった手のひらから凱の温かさが伝わってくる。



言わなくても、きっと凱はわかってるよね。



私の気持ち。



「凱・・・・・」


「ん?」



「好きだよ」



言わずにはいれなかったんだ。









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