アルタイル*キミと見上げた空【完】
「ここ懐かしいよな」
「うん」
河原の草むらを、あの頃と同じように、夜風が揺らしていく。
私達は隣に座って、ただ、ただあの頃と同じようにひとつひとつ増えていく星を見つめていた。
あの時と違うのは、
ずっと手を包んでくれる凱の大きな手。
「凱・・・」
「ん?」
本当はすごく気になってることを聞きたかったのに、
彼の答えを聞くのが怖くて、なかなか言葉に出来ない。
「・・・サオリのこと?」
エスパーのように私の心を瞬間に射止める凱は、やっぱりすごい。
「彼女、なんだよね・・・?」
だから、お前とは一緒にいれない。
そう言われたら、私はどうするんだろう。
泣けばいい?
それとも、わかってるよ、って笑えばいい?
どちらにしろ、完全に失恋決定だ。