アルタイル*キミと見上げた空【完】
瞬間、ぐっと掴んだ手が引き寄せられた。
「キャッ」
!?
気づくと、私は横になった凱の上に覆いかぶさるような形になってた。
「凱・・・」
「だーめ。てか、それ絶対無理だし」
ち、近い。
そう言って、凱の茶色い瞳が、一瞬イタズラそうに微笑んだ後、すぐに切なそうにゆがんでさらに私を引き寄せた。
そして、凱は首をもたげるようにして私にほんの触れるか触れないくらいの二度目のキスをした。
「もう離したくない・・・・だから、無理」
どうしてこんなにドキドキさせるんだろう。
言葉が出てこないくらいに胸を苦しくさせるんだ。
凱は落ちた私の髪を書き上げるようにして撫でながら言った。
「汐。サオリのことは、今度話をする。なにがあっても・・・俺を信じててくれる?」
なにがあっても?
なにか、あるの?
顔をしかめた私を、再度自分の胸に抱きしめて凱は言うんだ。
「俺は絶対にお前のそばにいるから。俺の気持ちはお前のところにあるから」
「凱・・・」
それって・・・・