アルタイル*キミと見上げた空【完】

「汐・・・・俺はお前が好きだよ。ずっとずっと前から・・・・」



「凱・・・・」



凱の声と共に私の耳に響くのは・・・ドキドキしてる凱の心臓の音。



凱も、私と同じなの?



「やっと・・・伝えることが出来た」


「え?」


「あの時・・・あの体育館で言うつもりはなかった。けど・・・言わずにいれなかったんだ」



体育館・・・・。


凱とさよならしたあの時。


じゃぁ、あの時何か口を動かしてたのは・・・。



「凱、あの時なんて言ったの?」



「・・・やっぱり聞こえてなかったのかよ。ま・・・言うつもりはなかったからな」



「凱!」



凱のほっぺたを軽くつねると、凱はわかったわかった、って小さく笑ってから教えてくれた。



「ずっと好きだよ・・・・・絶対にまた、帰ってくる・・・さよなら」



記憶の中の少年が私に向かって言葉を発してる。



凱!


凱、凱!!









< 243 / 640 >

この作品をシェア

pagetop