アルタイル*キミと見上げた空【完】
「本当はすげー離れたとこにあるんだけど、こっから見ると近くに見えるんだよな。そしてひとつの形をつくってる…」
「……」
私は凱の言葉をただ黙って聞いていた。
「この前さ、父さんに教えてもらったんだ」
いつも頭をくしゃって撫でてくれた凱のお父さんの顔がふと思い出された。
お母さんがなくなってから、仕事が忙しいとかでなかなか家に帰れないらしい、と聞いたことがある。
凱はなんにも言わないけど・・・。