アルタイル*キミと見上げた空【完】

「トモ。お前ディフェンス甘いぞ。ゴール下のリバウンドはしっかりとれ!」


「はい」



スコアブックを見ながら、レギュラーメンバーに次々と指示を出していくその姿は、「栗原コーチ」そのままの姿で。


ううん。でも・・・・



「なんか気合入ってるね、修也さん・・・・」



うん。


久しぶりに来たせいなのかもしれないけど・・・・。


しかもさっきからなんとなく意識的にこちらを見ないようにしてる気もするのは、私が意識しすぎてるせいなのかな。



「もう時間だな。ごめん。遅刻しないようにしてくれよ」


「え~~~!?修也さん、今日の練習はこれないんですか?」


「ごめんな。また、来るから」


そう言ってやっぱりみんなにわーわー言いながら囲まれちゃう修ちゃん。


やっぱり、なんかオーラがあるんだよね。


「それと、みんなに頼みごとがあるんだ」


「え?なんスか?」


修ちゃんの一言に、ざわめきが一瞬収まった。





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