アルタイル*キミと見上げた空【完】
その瞬間。
前を歩いてた背中がぴたりと止まって、修ちゃんは振り返りもせずに言った。
「そうそう、サオリが『かっこいい彼氏が出来た』って大学で言いふらしてるぞ。それってお前のことらしいな」
え~~~~っ!?
これは、ギャラリー席の凱くん派の女の子の悲鳴。
遠目に、凱がぐっとこぶしを作ったのが見えた気がして、目を伏せた。
そう。
やっぱりこれが現実。
修ちゃんはふっ、と笑って凱を見た。
「昨日も来てたんだろ?今日も迎えにくる、って言ってたから仲良くな!」
修ちゃん・・・・・気づいてるんだ。
私の気持ちに。
だから・・・・。
そして、そのまま、彼に引っ張られるように体育館の外に出た。