アルタイル*キミと見上げた空【完】
「だから・・・・・きっと母さんも・・・」
最後消え入るようにつぶやいた凱の言葉は、かすかに流れて私の耳の中に到達する。
だから、母さんもいつも一緒なんだ、
って。
足元の草がざっと風で揺らいだ。
「凱・・・私もいるから。ずっとずっといるから・・・」
なんでその時にそんな言葉を言ったのかはわからないけど、
どうしても言わずにはおれなかったんだ。
凱は何も言わずに前を向いてゆっくり歩いていく。