アルタイル*キミと見上げた空【完】

「おい、タイチ!はじめるぞ」


この声・・・修ちゃんだ。


「お、こわーい王子様のおでましだ・・・ゆっくり見ていけよ」



肩をすくめてコートに向かうタイチさん。


そのキャラは、全然変わらないね。



私と凱も邪魔にならないように、上のギャラリー席で見学することにした。



マネージャーとしてお手伝いできるんだろうか・・・。



一個一個の作業をできるだけメモに書く。



こういう目的じゃなくても、バスケのプレイを見るのは大好きだから、全然苦ではない。


そんな私をみて、凱は


「変わんねぇな、お前」


と言ってぷっと笑った。


「なに~?バカにしてる?」


「いや・・・いいと思うよ、お前のそういうとこ」


「急に・・・なによ」



凱が急に真面目なことを言うから、びっくりしちゃったじゃない。


少し赤くなった頬をぺちぺちと叩きながら、あわてて顔をそらすと、


コートの中の修ちゃんと目が合った。


ふっと切なそうな表情をして、すぐに目をそらしたのは修ちゃんの方。



私・・・修ちゃんの前で何をやってるんだろう。


無神経もいいところだ・・・・・。






< 271 / 640 >

この作品をシェア

pagetop