アルタイル*キミと見上げた空【完】
「おい、タイチ!はじめるぞ」
この声・・・修ちゃんだ。
「お、こわーい王子様のおでましだ・・・ゆっくり見ていけよ」
肩をすくめてコートに向かうタイチさん。
そのキャラは、全然変わらないね。
私と凱も邪魔にならないように、上のギャラリー席で見学することにした。
マネージャーとしてお手伝いできるんだろうか・・・。
一個一個の作業をできるだけメモに書く。
こういう目的じゃなくても、バスケのプレイを見るのは大好きだから、全然苦ではない。
そんな私をみて、凱は
「変わんねぇな、お前」
と言ってぷっと笑った。
「なに~?バカにしてる?」
「いや・・・いいと思うよ、お前のそういうとこ」
「急に・・・なによ」
凱が急に真面目なことを言うから、びっくりしちゃったじゃない。
少し赤くなった頬をぺちぺちと叩きながら、あわてて顔をそらすと、
コートの中の修ちゃんと目が合った。
ふっと切なそうな表情をして、すぐに目をそらしたのは修ちゃんの方。
私・・・修ちゃんの前で何をやってるんだろう。
無神経もいいところだ・・・・・。