アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐ちゃん、ありがとうね。手伝ってくれて」
「いいえ。これくらいしか出来ないのが悔しいです」
「く~~~っ、いい子だねぇ!」
「キャッ」
そうやってタイチさんがふざけて私にだきついた瞬間。
「オイッ!」
「タイチッ!!
同時に両方向から声が飛んで、凱と修ちゃんのそれが重なった。
「なんだよ、お前ら・・・冗談だよ冗談、ねぇ?」
は、はは・・・。
「ま、しばらくはこうやって汐ちゃんが来てくれるんだよな。それならいっそもうマネージャー募集するのやめよっか・・・なーんて」
やっぱり、この人・・・軽いわ。
ため息をついた、その時・・・・
「すみませ~~ん・・・マネージャー募集してる、って聞いたんですが・・・」
扉からする声に振り向くと、女の人が2人寄り添うようにたってる。
マネージャー・・・?
「汐。そういうわけだから、こっちにこなくていいからな。高校で頑張れ」
修ちゃんが、頭の汗をタオルで拭きながら素っ気もなく言った。
「なんだよ・・・あいつが一番残念がってるくせに」
タイチさんがぶつぶつ言ってるのを横で聞きながら、
私は遠ざかる修ちゃんの背中から目が離せなかったんだ。