アルタイル*キミと見上げた空【完】
「だからさ、俺はサオリを選んだんだ。・・・・あいつは、その点オトナだからな。面倒くさくないし・・・」
凱はオトナというところを少し大きく言ってから、はっ、と息を吐き出した。
凱、ひどいよ。
私が一番気にしてること・・・・わかってるでしょ?
「じゃ・・・ぁ・・・、昨日の・・・・昨日のことはなんだったの?」
もう半分泣き声の私を、凱は見もしないですらすらと言葉を出した。
「あぁ、あれ?あんなの・・・挨拶みたいなもんでしょ?」
心が壊れる音がする。
ズキンズキンと体全身が悲鳴をあげはじめるのをおさえるように、私は腕で自分の体をだきしめた。