アルタイル*キミと見上げた空【完】
「凱・・・ウソだよね?」
お願い。いつもみたいに笑ってよ。
ウソだよ、って。
お前、単純すぎるんだよ、って。
・・・・そしたら、すぐに許してあげるから。
凱の真新しいブレザーの制服のすそをぎゅっと掴んで目を伏せた。
「お願い・・・凱・・・・・」
みっともないのもわかってるけど、でもこうせずにはいられないんだ。
凱は、何も言わずにしばらく黙った後、ようやく口を開いた
「・・・・・お前は修也のところに帰れ」
バンッ!!
乾いた音と共に、とがった刺激が私の右手にはしった。
気がついたら、凱の顔が横に向いていて、
私の右手が、凱の頬を打ったんだと、ようやく自分で気がついた。