アルタイル*キミと見上げた空【完】
はぁはぁと荒い息をついてる私の目の前で、凱は表情も変えずに、落としたカバンを拾うために体をかがめた。
凱の指先が、ふと止まった。
その先には、カバンの横から転がりだした・・・小さな・・・・ボール?
それは、私の足元に当たって、そして止まった。
思わずそれを摘み上げると、キャンパスの電灯に一瞬光ったそれは・・・・
「ボール・・・」
小さな小さなバスケットボール型のキーホルダーだった。
「はい・・・」
差し出した私の声に、凱が何かを言いかけた瞬間、後ろからタイチさんの声が響いた。
「あ、いたいた。おーい、お前ら~~!!」