アルタイル*キミと見上げた空【完】

「いや~~、探したって・・・・・あれ?お前ら・・・何やってんの?てか・・・汐ちゃん泣いてる?」



タイチさんの言葉に、あわててかぶりを振った。


「ふーん・・・・」


そう言ってタイチさんは私と凱とを見比べながら言葉を続けた。


「あのさ、今からクラブの連中とご飯食べに行くんだけど・・・監督が凱と汐ちゃんつれてこいよ、ってうるさいんだよ」


「あ・・・えっと・・・・」


こんなキモチのままで、ご飯なんか食べる気にもならないし・・・。


「すみません・・・今日はちょっと・・・・・」

行けません、と断ろうとした時に、先に出たのは凱の声。


「俺、パス」


「おい、凱。俺が監督に怒られんだよ」


「そんなの知らねーし・・・・てか、邪魔すんなよ」



邪魔すんなよ、その言葉に、まだかすかな期待を持った私は本当に単純すぎる。


だけど、


それは、続いた凱の言葉で、もろく崩れ、私の胸を突き刺した。



「サオリと約束してんだよ。デートの邪魔すんな、つーの」



決定打・・・。


本当に・・・バカだ・・・・私。









< 278 / 640 >

この作品をシェア

pagetop