アルタイル*キミと見上げた空【完】
「いや~~、探したって・・・・・あれ?お前ら・・・何やってんの?てか・・・汐ちゃん泣いてる?」
タイチさんの言葉に、あわててかぶりを振った。
「ふーん・・・・」
そう言ってタイチさんは私と凱とを見比べながら言葉を続けた。
「あのさ、今からクラブの連中とご飯食べに行くんだけど・・・監督が凱と汐ちゃんつれてこいよ、ってうるさいんだよ」
「あ・・・えっと・・・・」
こんなキモチのままで、ご飯なんか食べる気にもならないし・・・。
「すみません・・・今日はちょっと・・・・・」
行けません、と断ろうとした時に、先に出たのは凱の声。
「俺、パス」
「おい、凱。俺が監督に怒られんだよ」
「そんなの知らねーし・・・・てか、邪魔すんなよ」
邪魔すんなよ、その言葉に、まだかすかな期待を持った私は本当に単純すぎる。
だけど、
それは、続いた凱の言葉で、もろく崩れ、私の胸を突き刺した。
「サオリと約束してんだよ。デートの邪魔すんな、つーの」
決定打・・・。
本当に・・・バカだ・・・・私。