アルタイル*キミと見上げた空【完】
・・・・・・
凱が校門の外に姿を消したのをみて、差し出した手を力なく落とした私をみて、タイチさんはなんて思ったんだろう。
ぎゅっと目に力を込めて、空を見上げた。
下を向いてると涙がこぼれるのが、ばれちゃうと思ったから。
けれど・・・
見上げた先の空には、いつかの星達が綺麗に瞬いてて・・・・
結局こらえることができなくて、涙が頬を伝っていく。
温かい風の中で、涙が冷たい。
「いろいろ・・・・あるよな」
そんな私の肩をぽんぽんと叩いて、タイチさんがつぶやいた。
けれど、それ以上何も言わないでいてくれるタイチさんに、私は心のそこから感謝してたんだ。