アルタイル*キミと見上げた空【完】
だから、バスケ部の顧問の先生がぎっくり腰になって、その急遽代役が栗原さんに決まった時には、
部員の子たちも、凛子も内心大喜びしていたほど。
(ごめんね、先生)
で・・・
「修也さーん。おつかれさまでーす!!」
体育館の2階のギャラリーから聞こえる声援は、部員にむけてじゃなくて、臨時コーチにむけられてるものだ。
最初は苦笑いしながらそれに答えてたコーチだったけど、
最近は慣れてきたのか、周りの部員の皆も普通になってきてる。
「栗原さん」・・・
私は、キャプテンと話をするコーチをそっと見た。
・・・確かに、かっこいい、と思う。
身長はあるし、顔がちっちゃい。
染めたんじゃなくて、多分元から少し茶色の髪はさらさらと、額に長めにかかってる。
そしてそこからのぞく、髪の毛と同じ色の、チョコレート色の瞳・・・。
あ、目があった?
と、同時に呼ばれた。
「マネージャー。ちょっと」