アルタイル*キミと見上げた空【完】
結局、始まった試合に、凱が現れることはなくて、男子の試合もあっけなく終わり、
自動的に私達のミニバスは卒業と言うことが決まった。
「おつかれ~~」
というコーチの言葉に、ただ、みんな黙って解散と言うことになった。
「汐ちゃん、帰ろ?」
友達に背を押されて、もうボールを持たなくてもいい自分の右手を見ながら歩きはじめた。
でも・・・
「ごめん、もう少しだけ待ってる」
「凱君のこと?」
「うん、ごめんね。先帰ってて」
そういって、また体育館に向かって走り出した。
あいつが来ないわけないじゃん。
凱。