アルタイル*キミと見上げた空【完】


「昨日の夜遅くにね、トモの携帯にサオリさんからメールが入ってたらしいんだ」



「サオリさんが?」



昨日、女の人たちが言ってたことが不意に頭の中によみがえって、体が急に固くなるのを感じた。



「汐が……修也さんと付き合ってるのに、他の男の子と遊びまわってる、って…」


え?


「それが、どうもトモだけじゃなくて、この高校でメルアド知ってる人に送りまくってるらしい。トモのところにも、クラブの子の何人かから連絡があったって」



細かく震えだした体を認めたくなくて、ぎゅっとスカートをにぎりしめた。


「トモ、なんか言ってた?」


その私の言葉に、凛は一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにほほ笑んだ。


「トモは、汐を信じる、って。そんなことする子じゃないって、わかるから、って」


安堵感と、一方湧き出てくる……やましさ。


言わなきゃ。


友達には…本当のこと分かってほしい。



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