アルタイル*キミと見上げた空【完】
「最近、汐が元気ない、ってみんな心配してたんだよ?」
「……」
みんな……。
「けど、今朝の汐、明るくて、安心してたんだから……そっか。凱くんと付き合うことになったのか…」
「凛……軽蔑とか…しないの?」
「は?なんで??」
勇気を出してしたその質問に、帰ってきた凛の反応に本当は涙が出るほど感動してたんだ。
「だって、汐が誠実に悩んでたの、知ってるし……軽蔑なんてそんなのしないよ」
「凛………ありがとぉ…」
「こら、泣かないの」
っていいながら、凛も泣いてるじゃない。
「……けど、誤解してる子もきっと多いだろうから、心配だよね。凱くん、今日練習来るのかな」
「……今日は…大学に行くから、学校にも来れるかわからないって、言ってた…」
「え~~!?」
アメリカのことで、監督と話があるとか、言ってたし。
「凱くんには、連絡したほうがいいんじゃないかな、って思って」
「……ううん」
「汐?」
「凱には、連絡しない。このこと、言わないで、ってトモにも言っておいてね」
「けど……」
「これくらい、どうってことないから。今はこんなことで心配かけさせたくないんだ」
「汐……」
「今、大事な時期なんだ、って思うし」