アルタイル*キミと見上げた空【完】
昨日の夜……家まで送ってくれる間。
懐かしそうに、アメリカのことを教えてくれた凱。
バスケが好きで好きでたまらないんだろうな、って再実感したんだ。
そして、また向こうへ行きたいんだろうな、ってことも。
凱は一言もそういうことは言わなかったけど、そういうのは…わかる。
それで、私自身がどうすればいいのかまだ決めてるわけじゃないんだけど、
少しでも彼のそばにいるにはどうしたらいいんだろう、って昨日の夜はずっと考えてた。
どちらにしろ、向こうにまた行けるチャンスなんて、そうそうないはずだし、
たいしたことないように、本人は言ってるけど、
多分実際はそんなわけ絶対ないはずだし。
「凱には言わないで。お願い」
顔の前で手を合わせた私に、凛は何か言いたそうにしたけれど、すぐにはっと溜息をついた。
「わかった……私らもいるしね、うん」
「凛、ありがとう!!」
呆れた様子の凛に思わず抱きついた。
ありがとう!凛。
ありがとう……私のこと理解してくれて。
私と凱のこと…認めてくれて。