アルタイル*キミと見上げた空【完】
私の帰りが遅いことを心配したママが車で迎えに来るまで私はただ呆然と立ちすくんでた。
そして、聞いたんだ。
凱のお父さんが事故で亡くなったこと。
そして、遠い親戚の家に凱が引き取られるようになったこと。
もう・・・・・・凱は行ってしまった、ってこと・・・。
台所の椅子に座って話を聞く私の目からは不思議と涙は出なかった。
けど・・・
「汐!?」
ママが止める声も聞こえず、私は外へ飛び出した。
空を見上げると、一番星がいっぱい・・・
昨日・・・
昨日、凱と見てた星空は全く変わらないのに。
「バカだな、お前」
呆れたように私を見る凱の笑顔はもうないんだ。
「凱~~!!」
叫んでも。。。叫んでも、私の声は遠い夜空の中に吸い込まれていくようだった。
「凱・・・・・・」
やっと頬を流れる涙に気づいたのは、後ろからママにぎゅっと抱っこされた時だった。