アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐・・・・それでいいんだよ」
「でも・・・・」
「俺がお前を守りたかったんだ。だから・・・それでいいんだ」
「凱」
「それにさ、どうせ俺、あさってから一週間向こうに行くことになってたから、ちょうどいいし」
「え?向こうって・・・アメリカに?」
「ん。テストとかなんとか、言ってたけどな」
「そう・・・・」
本当に・・・・凱は一歩ずつ前へ進んでいってるんだ・・・。
「汐?」
なんだろ、なぜか頬に涙が流れた。
悲しい?寂しい?
よくわからない。
けど・・・
「ごめんね・・・・凱に・・・守ってもらってばっかりで、私は何も返せてない・・・・」
そのうえ・・・
凱は自分の将来に向かって歩き出してるのに、
私にはまだはっきりと「自分の道」が見えてるわけでもない。
こんな・・・中途半端な私でいいの?