アルタイル*キミと見上げた空【完】
修ちゃんの病室から離れ、どれくらいの時間、椅子に座ってたんだろう。
「汐」
ふいに自分の名前を呼ばれて、反射的に振り向くと、
息を切らした凛が立っていた。
「携帯、見つかった?鳴らしたんだけど・・・・・電源切ってるでしょ」
「あ・・・・」
さっき・・・多分・・・・・凱からの着信があって、その後電源を切ったんだった。
「時間大丈夫?もうそろそろ到着時刻かな、って」
そういえば・・・・
のろのろと携帯を開くと、もうすぐ8時をさすところ。
「汐?どうしたの?」
凛が心配そうに私の顔を覗きこんだ。
「ううん。大丈夫・・・」
「大丈夫、って顔じゃないよ?なんか顔色悪いし」
なんだか・・・・体中の感覚が消えてしまったようにも感じた。
「ね、汐ってば・・・」
「凛!・・・ごめん、こんなときに悪いけど、部活しばらく休んでもいいかな?」
「え?」
「本当にこんな時期に勝手にごめん」
「汐?どうしたの?」
「本当に・・・・ごめん・・・・・・」
本当にごめんなさい。
私のせいで・・・・本当にごめんね。
修ちゃん、ごめんなさい。