アルタイル*キミと見上げた空【完】

・・・結局、凱に連絡をとることもなく、家へ帰ってきてしまった。


すごく会いたいけど、なんだか・・・・会ってはいけないような気がしたんだ。


会えないよ・・・。


タクシーを降りて、家の門を開けた時に、


「汐」


この1週間、会いたくて、聞きたくてたまらなかった声が優しく私の名前を呼んだ。


「凱・・・・」


「ただいま」


「おか・・・えり。・・・・あの、ごめんね。約束」


「いいよ。トモから聞いた・・・・俺の方こそ、ごめんな?」


「え?」


「俺がそばにいてやれば・・・」


「ううんっ!」


ううん・・・・


なんて・・・・・言えない筈なのに、そんな無神経なこと・・・。


自分がどんどん醜く壊れてくみたい。


本当は・・・凱に気持ちを言いたい。


どうしたらいいの?って。


修ちゃんが・・・バスケやれない、って。


アメリカ行けない・・・・って・・・・・。



・・・・言えるわけがない。


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