アルタイル*キミと見上げた空【完】
・・・っ!?
ふいに握られた手をたどれば、凱がじっと私を見つめてる。
凱、大好きだよ。
大好きで、大好きで。
近づく凱の頭に目を閉じると、頬にやわらかくてあたたかな感触を一瞬感じた後、それはすぐに離れた。
「ただいま。・・・・会いたかった」
「凱・・・・」
「んでさ・・・・いや、今日はいいや。明日学校行くんだろ?」
「うん」
「じゃぁ、迎えに来ていい?」
「え?」
「一緒に行こうぜ」
「・・・・・うん」
「また、ああいうことがあったら、心配だしな・・・・」
と言ってから、凱はそっぽをむいて付け足した。
「てか・・・できるだけ一緒にいたいから・・・な!」
照れくさそうに、バイバイッと言って帰っていく凱の背中を、追いかけられたらどんなにいいだろう。
追いかけたいよ。
私もっ、って。
会いたかったよ、って。
言えたら、抱きしめられたらどんなにいいだろう。
どんなに・・・いいだろう。