アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐・・・ちょっと、いい?」
修ちゃんがちらっとタイチさんを見ると、タイチさんは「邪魔者は退散、いたしますか」とドアを開けて出て行った。
うぅ・・・緊張する。
覚悟、しなきゃ。
「汐。俺さ・・・・アメリカ行くのやめようと思ってる」
「修ちゃん・・・・・」
「ほら、この前、行ってみてわかったんだ。あの時は夢中だったけど、こう日が立ってみて、冷静に考えてみると・・・・・・」
修ちゃんは、まるで頭の中にはない言葉を探し出すようにゆっくり話を続けていた。
それは、なるべく私を傷つけないように。
なるべく私が責任を感じないように、っていう修ちゃんのオトナの優しさだ。
今一番、落ち込んでるのは、傷ついてるのは自分なのに・・・。