アルタイル*キミと見上げた空【完】
修ちゃんの腕が一瞬、私の体をぎゅっと抱きしめた後、すぐに私の肩を掴んで引き離した。
そして、彼はうつむいたまま、聞いたんだ。
「汐・・・・知ってたの?」
「・・・うん。ごめん」
瞬間、修ちゃんの顔が苦しそうに歪んだ。
「お前の・・・『ごめん』を聞きたくなかったんだ・・・。汐は全然悪くないよ。だから・・・お願いだから謝らないで」
「修・・・・ちゃん・・・・」
「つか、もう帰って」
「え・・・?」
「もう、来なくていいから。ていうか、俺明日で退院だし、もう汐が責任感じることなんてないんだ」
「・・・・・」
私は・・・ただ、力なく降ろされた彼の腕を追いかけるしかなくて。
「もう、同情とかしなくていいから。これは・・・俺が決めたことだから、お前が気にするな。だから、今日は帰って。送れないけど・・・ごめんな」
私から顔を背けて一つ一つ言葉を発する修ちゃんの姿は
今までに見たことがないくらいに「小さく」見えた。