アルタイル*キミと見上げた空【完】
「・・・・・・・・っ」
何か言葉を、と思ったけど・・・この私が何を言っていいのかわからなくて、そのまま口を閉じた。
そうか。
私がいることで修ちゃんを余計苦しませてるんだよね、きっと。
こうやって毎日来てたことが、ただ自分を満足させてるだけだったって、ようやく気づくんだ。
自分のために、来てたんだ。
ごめんね。そんなことすら気がつくのが遅くて。
「わかった・・・・帰るね・・・」
椅子から立ち上がった瞬間、その椅子が派手な音を立てた音にびっくりして振り返ったのと、自分の体が、その動きをとめたことに同時に気がついた。
胸の前に回された手。
見覚えのある、筋肉質の腕。
「修ちゃん・・・・」
修ちゃんに後ろから抱きしめられているこの状況に気づくのに、数秒かかった。