アルタイル*キミと見上げた空【完】

ずいぶんと長い時間そうしてたように感じられたけど、


「ごめんっ」


修ちゃんが呟き、ふいに体が離されると、開けた目に見えた病室の時計は、ほんの少ししか時間を刻んではなかった。



「ごめん・・・・」


ううん。


無意識に首を横にふった。


「本当にいいから。帰って・・・・・」


「修ちゃんっ。私・・・・・そ・・・」


そばにいるよ、って言いかけた私の言葉を修ちゃんがさえぎった。


「本当にごめんな。……困らせない、って言ってるくせに、なんか…俺めちゃくちゃだよな」


「修ちゃん、私」
「お願いだから帰ってくれ!……一人にさせて…」


修ちゃんの悲鳴にもにた呟きが部屋に、ううん、私の耳に響いて、私はたまらず病室を飛び出したんだ。
< 399 / 640 >

この作品をシェア

pagetop