アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐ちゃん…っ!?」
すれ違ったタイチさんに名前をよばれたけど、振り返ることすら出来ずに病院の玄関を飛び出した。
ぽつぽつ、と頭に感じたと思ったら、降り出したその雨はみるみるうちに勢いを増していった。
雨なのか、涙なのかわからない雫が頬を伝って流れる。
修ちゃん、あんなにうれしそうにアメリカのこと、話してくれてたのに。
……自分が嫌。
私の自己満足が修ちゃんを余計に苦しませたのかもしれない。
……恥ずかしい。
覚悟もないくせに、ただ自分の気持ちを押し付けてた…。
……覚悟?
私に足りなかった…覚悟……。