アルタイル*キミと見上げた空【完】
本当は、気がついてた。
傘を持つ凱の手の隙間からちらっと見えたコンビニのシール。
…本当は自分だって傘忘れてたくせに。
凱の大きな肩がほとんど出ちゃってるし。
でも……ありがと。
なんとか、私が負担に思わないように、考えてくれてる凱の優しさなんだよね。
そして…
「行こう」
その言葉で、その笑顔で、こんなにも弱い私の心はやっと息をつけるんだ。
それすらが弱いとわかってても、その繋いだ手で私をひっぱって欲しい。
そして、それがただの現実逃避であったとしても、お願い、気がつかないふりをしてて。
こぼれる涙も。
この弱くて卑怯な心も。
今は……なにも考えずにただ、凱と一緒にいたいから。
凱、ダイスキだよ。