アルタイル*キミと見上げた空【完】
凱も何かを考えてるようにずっとさっきから電車の窓の外ばかり見てる。
凱・・・・。
・・・・・私達これからどうなるんだろう。
そう私が思いかけたときに、
「ほら、汐。見えてきた!!」
凱が私の手を掴んで引き寄せた。
顔と顔が近い。
けど、その指差された方角に・・・・・
「わぁ・・・・」
凱が探してたもの。
これだったんだ。
丘の上に見える、大きな天文台。
「凱・・・・」
見上げると、凱は嬉しそうな笑顔で私を見下ろしてた。
「調べておいたんだ。雨でも雪でも嵐でも、いつでもお前と星が見えるところ、あればいいな、って」
凱・・・・。
「ほら、まだ泣くなよ。俺が変な風に見られるだろ?」
気がつくと、同じ車両の人の中でちらちらとこちらを気にしてくれてる人がいて。
「ん、ごめん」
私は熱いものを喉の奥に飲み込んで、誤魔化すように窓の外に見える天文台を見つめた。
凱はそんな私の頬に指を滑らせ、涙を拭ってから周りから隠すように自然に私の肩を抱いてくれたんだ。