アルタイル*キミと見上げた空【完】

『以上で夏の星の物語、上映終了です。お気をつけてお帰りください・・・』



少しずつライトの照明がもどされ、何人かのお客さんが出て行く中、


私達は無言でまだその「空」を眺めていた。



「俺さ・・・・」



凱は上を見上げたまま、つぶやいた。



「親父がすげー好きだった」



「・・・うん」



「けど・・・おふくろが死んでから、親父は少し変わったんだ」


「・・・・・?」


「仕事無理に入れて、帰ってきたらずっとおふくろの仏壇の前で泣いてた。なんで気づいてやれなかったんだろう、って」


「・・・・凱のお母さんは急に倒れた、って・・・」


「うん。だから、誰も悪くないんだ。けど・・・親父はおふくろの死をずっと自分のせいにして自分を責め続けてたんだ・・・・・俺はそんな親父を見るのも嫌だった」


ひどい子供だろ?


と凱は小さく笑ってから、ため息をついた。



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