アルタイル*キミと見上げた空【完】
スーパーでの買い出しは楽しかった。
さすがに制服同士の私達は少し目立ってたけど、凱はいつもの調子でそんなの全然気にしてない様子だったし。
「ただいま〜!って。重すぎ」
玄関で買物袋を置いた凱が首をまわしてるのがおかしくて私はクスクスと笑った。
「凱がたくさん買い過ぎなんだよ?言っても聞かないし…」
袋の中の 材料をいったん冷蔵庫にしまいながら凱を見ると、ふいに彼の笑顔と目が合って、反射的につい目を逸らせてしまった。
なに、今の?
あんな笑顔、ずるいよ。
胸がドキドキする。
どうするの?
この瞬間まで凱をどんどん好きになっていく。
頭の片隅に消えない時計があるままなのに。
凱が好き。
やっぱりそう思う。
今のこの時でも。