アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐!・・・・あ、凛ちゃんも」
その時、背後からかけられた声に、凛が頬を少し膨らませた。
「あ。ですみませんでした。はいはい、汐。お待ちかねの修也コーチだよ」
「お待ちかね、って・・・ちょっと凛!」
「そうだ!私トモを迎えに行ってくるね!じゃぁね。また連絡する」
そう言ってウインクをひとつして、席を立った凛を私と、練習帰りのバックを持った修ちゃんは、ただその勢いに呆然と見送った。
「・・・ははっ、相変わらずだな、凛ちゃん」
「うん・・・」
「お待ちかね、って。あれ本当?」
「え?」
ふいに修ちゃんが私の顔を覗きこむから、なんだか急に恥ずかしくてもう中身のないグラスのストローに口をつけた。