アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐ちゃん、いつも修也のこと、ありがとうね」
「い、いえ・・・」
修ちゃんのお母さんは、少し離れたところにいる友達と挨拶をしてる修ちゃんを見ながら微笑んだ。
修ちゃんのご両親とも・・・修ちゃんが怪我をしたあの時から、原因は私にあるのに、一度もなじったりそんなことはなくて、逆に、私が修ちゃんのそばにいることをとても喜んでくれてた。
そ、そうだ。
「あの、このたびはおめでとうございます・・・・それと私の就職の件まで・・・本当にありがとうございます」
私がそういうと、修ちゃんのお母さんは、ふふふっと笑って、
「あれは私達も口が出せないのよ。だからそれは絶対に汐ちゃんの実力なんだから、自信もって春からお仕事がんばってね」
「はい!ありがとうございますっ」
「私は逆に・・・・・ごめんなさいね、あなたがどこにも就職なさられなければいいのに、なんて思ってたのよ」
「え?」
「汐ちゃんが早く修也のお嫁さんになってくれないかな・・・って」
・・・・・!?
「母さんっ、もういいから。ほらあっちで人が待ってるよ」
修ちゃんが慌ててお母さんの肩を抱いてよそに振り向かせた。
「あら。ごめんなさいね。じゃ、汐ちゃんゆっくり楽しんでってね」
「は・・・・は、い・・・」
急に緊張がまわってきて返事が上手く返せない。
「ごめんな・・・なんか母さん変なこと、言っちゃって・・・」
「う、ううん」
緊張が、解けない。
顔が、こわばっていく。