アルタイル*キミと見上げた空【完】
「さぁ、ここでサプライズ企画です。皆さん上をご覧ください」
アナウンスと共に会場の照明が落とされると、わぁっ・・・・、という歓声が響いた。
「今日は、皆様に会場の中で星空を楽しんでいただきます」
天井に広がる・・・・星たち。
「これって・・・」
「プラネタリウムだよ。汐、昔星が好きだ、って言ってただろ?あれ言ったら父さんやる気出しちゃってさ・・・・」
隣の修ちゃんの声がフィルターがかかったように聞こえた。
目の前に広がる、無数の星たち。
言葉が出ない。
胸が、驚きのあまりいったんその動きをとめたようにさえ感じる。
ドクン・・・・ドクン・・・・・・・
再び動き出した胸の鼓動。
それは・・・甘く懐かしいあの頃そのもの。
彼の・・・・幻が見えたような気がした。