アルタイル*キミと見上げた空【完】
小さい女の子のその悲鳴は、次第に泣き声と変わる。
木の枝にいったんひっかかった銀色のそれも、もう風に吹かれて上に追いやられるのも多分時間の問題。
花火がいったんやんだその間に、再び動き出す人の波の中で、
そんな女の子の泣き声を気にする人もいないようだった。
と、
人の頭の上にひゅっと飛び出た長い手が、いとも簡単にフウセンを手繰り寄せたのが見えた。
あ・・・。
一瞬、修ちゃんかと思ったその男の人は、
キャップを深くかぶってて、すぐに違うとわかった。
けれど、あの高さのフウセンを取れるなんて・・・
すごいジャンプ力・・・。