アルタイル*キミと見上げた空【完】
「修兄、ったら」


クスクス笑う声に見上げるとサキちゃんが私の隣にポスンと座った。


「噂には聞いてたけど、すごい好きなんだね、汐さんのこと。2人になりたいだけなの、バレバレだし」


サキちゃんはそう言って笑ってから、ふーっと大きく息を吐いて言葉を続けた。


「修兄にもそういうとこがあるなんて、すごい新鮮・・・私ね、実は修兄が初恋、というか、小さい頃から憧れてたんだ。すごい大人な感じがしててね」


そうして、サキちゃんはへへへと恥ずかしそうに笑って舌を出した。



「けど、4年前、あんなことがあって……」


ズキン。


サキちゃんの続けた言葉に胸が痛む。


多分…思わず顔をしかめちゃったんだろう私の表情の微妙な変化を見て、サキちゃんはあわてて私の手を握った。


…暖かくて柔らかな手のその感覚はやっぱり修ちゃんのそれとよく似ている気がした。



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