アルタイル*キミと見上げた空【完】

「違うの!・・・・違うの・・・。修兄のお父さんもお母さんも、もちろん私もだけど、皆汐さんに感謝してるんだよ」


「・・・・」


「ずっと一緒にいてくれて、ありがとう、って思ってる。汐さんも・・・きっと辛いはずなのに、修兄のそばでずっと笑ってくれてたことが一番支えになったはずだから」


「・・・・・サキちゃん」


「って、これ・・・・修兄のお母さんから聞いたんだ。でも私も・・・今日久しぶりに会って修兄が幸せそうに笑ってるのみて、すごく納得したんだよね。汐さん、本当にありがとう」



ううん。


首を軽く振って下にうつむくと手を握り締めたままのサキちゃんが、私の目の前で、しゃがんで、私の顔を覗いた。


「本当だよ?私が憧れてたちょっと大人でクールな修兄があんなになっちゃうんだから・・・・」


そう言って笑いながらサキちゃんが向いた方を見上げると、扉から出てきた修ちゃんは私達を見てニコッと笑った。


「あんな顔・・・・見たことないし。あれは汐さんだけのものなんだよね」


そうサキちゃんに小声でささやかれて思わず顔が熱くなる。








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