アルタイル*キミと見上げた空【完】
「う、うん・・・」
急いで服を集めて身につけ、リビングに向かうと、カウンターキッチンから何か焼けるいいにおいが漂っている。
コポコポコポ・・・・
あぁ、コーヒーの沸いた音だ。そして目を覚ましてくれるような香ばしい香り。
息を吸い込んでようやく意識がはっきりしてくる。
「汐、座って。トーストでいい?」
「うん・・・・ありがとう・・・」
目の前に並べられたお皿にのっかった美味しそうなベーコンエッグ。
「すご~い!美味しそう・・・・修ちゃん、料理上手なんだね、知らなかった」
「ははっ、味はわからないけどな・・・さ、食べよう」
「うん。じゃ・・・いただきます!」
カリカリに焼けたトーストをほおばると、口の中に香ばしいバターの味が広がる。
「美味しい!」
エプロンを外して椅子に座りながら、修ちゃんが嬉しそうに微笑んだ。
「汐は・・・いつも美味しそうにご飯食べるよな」
「だって・・・・美味しいだもん。このパンも、卵もベーコンも全部!!」
はははっ、修ちゃんはそう笑ってコーヒーカップに口をつけた。
朝日が、キラキラと修ちゃんの髪の毛を彩って、
「キレイ・・・・」
思わず小さくつぶやいた。