アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐、こっち!」
「凛、もう来てたの?」
ギャラリー席の凛の隣に腰掛けた。
「あいつが来てくれ来てくれ、って言うからさ」
そう言ってちらりと見たのはトモの方。
そんな言い方してるけど、トモのバスケしてるとこ見れて本当は嬉しいくせに。
顔が緩んでるよ?
なんて、10倍にして返されそうだから言わないけど。
「あれ?修也さんは?」
「ん・・・・今日病院に寄ってから来るって言ってたから・・・少し遅れてるのかも」
「そっか~・・・それは残念」
「残念、って、何それ・・・ハハッ」
「バカ、汐はぼんやりしすぎ。修也さんの人気がすごいって、前言ったでしょ?」
そして、ギャラリー席を見渡した。
「昔と同じよ?しかも、今のほうが雑誌なんかに取り上げられてるからすごいかも」
凛の言葉を聞きながら周りを見ると、確かに見学に来てる女の人はキャーキャー言いながら誰かを待ってる風だ。