アルタイル*キミと見上げた空【完】

「汐さんっ!」


振り返ると、ニコニコ笑ってるサキちゃんが手を振ってた。


「わぁ、ここで汐さんに合えるなんて、嬉しいっ」


「サキちゃん?」


私の隣に座ったサキちゃんを見て、周りの女の子がざわめいた。





「あれ、もしかして、サキじゃない?」

「え~、ウソ。なんでここにいんの?」


・・・・・??


明らかにサキちゃんの話題、だよね。


でも、本人は全然そんなこと気にもとめない様子でニコニコ笑ってる。


「サキちゃん、もしかしてなんとなく・・・有名人とか?」


「え?なんで?」


「だって・・・・周り・・・」


「ん?」


そこでやっと、気がついたのか、サキちゃんは私の耳元で、こそこそとささやいた。


「修兄、まだいないのにね。今日まだでしょ?迎えに行こうよ」


は?


そうして私の手を両手で掴んで引っ張りあげると、ギャラリー席から階段を下りていく。


ちょっ、やっぱり、全然わかってないし。






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