アルタイル*キミと見上げた空【完】
「サキちゃん!」
「はいっ?」
「修ちゃん、まだだと思うけど・・・?来る前にメールあると思うんだけど、まだだし・・・」
そう言う私の言葉に、サキちゃんは急に所在無さげに、そっか、と上を仰いだ。
「サキちゃん?」
「えへへ。本当はすごい、緊張してるんだ、今」
「???」
はぁ、と息を吐いたサキちゃんは、いつもよりもずっとずっとキレイに見えた。
「もしかして・・・・好きな人?」
私の言葉に、サキちゃんの頬がピンクに赤らんだ。
「なかなか会えなくて・・・・・・・でも今日ここに来たら会えるかな、って」
「バスケ、やってる人なの?」
サキちゃんは、うん、とこくんとうなづいてから、本当に幸せそうに笑った。
「・・・好きになれて、それだけですごい幸せだなあ、って思える人なの・・・・って、なんでこんなことまで汐さんに言っちゃってるんだろう。ごめんね?」
「ううん・・・・」
私も、わかるよ。
その気持ち。
好き、っていう気持ちだけでそれだけで嬉しいんだよね。
苦しいけど、幸せなんだよね。
・・・それだけで泣きたくなったり、するんだよね。