アルタイル*キミと見上げた空【完】

「それにしてもさ、もうまるっきし有名人だよね。芸能人みたい」


凜が頬杖をついてつぶやくのを耳でききながら、コートの中で円陣をくんだ、皆の姿を眺めた。


うん。


でも、私は修ちゃんがここまでくるのにすごく苦労してきたことも知ってるから当然といえば当然。


だけど……


だけど本音は少しだけ焦り?みたいのもあるんだ。


少しだけ、ほんの少しだけ修ちゃんが遠く感じることも、正直あるんだ。


修ちゃんにも誰にも言ったことはないけど……。



「…汐、聞いてる?」


ふいに顔を覗き込まれて


ヒャッ!


思わず変な声を立ててしまい、手で口を押さえた。


そんな私に凜は小さくため息をついて、言葉を続けた。


「有名人、って言ったら、汐、SAKIと知り合いなの?」

ん?

SAKI?

サキ……

サキちゃん?
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