アルタイル*キミと見上げた空【完】
「・・・・・・お?・・・汐?!」
後ろから呼ばれた声にびくっと体が小さくはねた。
気づけば、もうさっきの人はいなくなってる・・・。
「汐?どうしたの?」
「あ、凛・・・・」
「なんかあった?」
凛が首をかしげて私の手から、救急箱を取った。
「え?」
「ボーっとしてるから」
「凛・・・今の」
見てた?って聞こうとしたけど、なぜかそれは声にならなかった。
救急箱に入ってるテーピングの数を確認しながら、凛が何気なくつぶやいた。
「お化けでもみた?なーんてね」
笑った凛の顔に、本当にそうかもしれない、なんて考えてたんだ。