アルタイル*キミと見上げた空【完】

……ここは凜の家。


「だいたいさ、トモが変なこと言うからこんなことになっちゃったんじゃない……」


そう言って凜は、身につけた浴衣の裾をちょっとひっばってみせた。


「あんたが大袈裟すぎんの!目一杯締めて、って言うからそうしてあげただけなのに…ね、汐ちゃん」


私達二人の着付け役をしてくれた凜のお母さんが、そう言いながら、凜の帯をぱんっ、と叩いた。



「いたっ、母さんもういいから!」


凜がしっしっと手で払うしぐさをすると凜のお母さんは笑顔で今度は凜の頭をはたいてから


「じゃあ、楽しんできてね」


とあわててお辞儀をする私に笑って部屋の扉を閉めた。
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