アルタイル*キミと見上げた空【完】
「あ、いたいた。おーい!トモ~~」
あれだけ文句言ってたのに、やっぱり一番うきうきしてるのって凛だし。
「お、・・・・・ぅおっ!!なんだ、お前ら。結構似合うじゃん」
「はぁっ?誰に向かって言ってんのよ?てか、誰のせいでこんな・・・・」
「うそ。超かわいい」
「え・・・あ、ありがと・・・・・・」
なんて、やっぱりトモと凛はいい感じだ。
と言うより、バカップルだよね。
・・・なんかうらやましい。
「あれ?コーチもうすぐ着くってさっきメールあったんだけどな・・・」
トモが周りを見渡した時に・・・
「汐さーん!!」
呼ばれた声に振り向くと・・・。
「サキちゃん・・・・」
浴衣姿で手を振りながら駆け寄ってくるサキちゃんの姿が見えた。
「うわっ、SAKIだ。浴衣・・・超レアじゃねぇ?」
男の子達がぼそぼそ言ってる中で、サキちゃんは屈託なく笑った。
細長い白い手足に、黒とピンクの浴衣が、とてもよく映えて似合ってる。
「今日はね、花火っていうことで、皆楽しみにしてきたんだよ・・・・・おーい、こっちこっち!」
彼女が手を振った先の明らかに長身の軍団。
その中に・・・・すぐに見つけたのは、やっぱり「彼」の姿だった。
凱・・・・。
来たんだ。。。
「おまたせ!」
サキちゃんが浴衣の腕をひっぱって連れてきた凱から、思わず目をそむけてしまった。