アルタイル*キミと見上げた空【完】

「あ、あのさ。監督が全然顔を見せない、って怒ってるよ」


私がそう言うと、凱は少し面倒臭そうに頭をかいた。


「あー…うん。こっちにいる間に行くから、って言っておいて…」


そんな凱の言葉に反応したのはトモだった。


「こっちにいる間、って……凱、お前……また向こうに帰んの?」


確かに今回は親善交流を目的にはしてるけど、凱が来シーズンから日本に戻ってくるんじゃないか、って少し噂になってたのは事実で……。


特に僅かだったけど、高校時代に一緒にプレイしたトモが一番それを楽しみにしてるのは、ここ最近見ててわかるし。


「あー、うん……、日本に残るつもりは…、今のとこないし…」
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